化学工学論文集
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材料工学,界面現象
メカノケミカル処理をともなうニッケル酸ランタンの合成プロセスにおける生成反応過程の解析
島村 育幸岩﨑 智宏 岩田 政司綿野 哲
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2018 年 44 巻 1 号 p. 85-90

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抄録

本研究では,メカノケミカル処理で調製した前駆体の加熱処理においてニッケル酸ランタンが生成する反応過程を解析した.ここでは,モデル前駆体として水酸化ランタン,水酸化ニッケルおよび塩化ナトリウムの単純混合物と,これをメカノケミカル処理して得られた混合物を用い,それぞれにおける反応過程を解析することで,メカノケミカル処理が前駆体の固相反応におよぼす影響を詳細に検討した.メカノケミカル処理を行った前駆体は,単純混合の前駆体と同様に,主に水酸化ランタン,水酸化ニッケルおよび塩化ナトリウムで構成されたが,比較的低い結晶性を示した.さらに,メカノケミカル処理を行うことで前駆体が微細混合されることも確認できた.また,加熱処理過程ではメカノケミカル処理によらず3段階の吸熱反応を経てニッケル酸ランタンが生成することがわかった.このとき,メカノケミカル処理して得られた前駆体では単純混合の場合と比較して,反応中間体においてオキシ炭酸ランタンの安定相(六方晶)の生成が抑制されたため,低温で結晶性の高いニッケル酸ランタンが速やかに生成することが示唆された.

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© 2018 公益社団法人化学工学会
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