化学工学論文集
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[特集] 新しい電池の開発および関連技術
新規スルホン酸ジアミンを用いたスルホン化ポリイミドの合成とそのプロトン伝導性および耐水性
渡利 竜也房 建華田中 一宏喜多 英敏岡本 健一平野 徹治
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2003 年 29 巻 2 号 p. 165-169

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抄録

新規ジアミンモノマー4,4′-bis(4-aminophenoxy)biphenyl-3,3′-disulfonic acid(BAPBDS)を直接スルホン化法により合成した.スルホン化ポリイミドは1,4,5,8-naphthalenetetra-carboxylicdianhydride(NTDA),BAPBDSと非スルホン酸ジアミンtrifluoromethylbenzidine(TFMBz)から合成した.BAPBDS系スルホン化ポリイミド膜は,以前に報告した一連のスルホン化ポリイミドよりも優れた耐水性を示した.これはBAPBDSのフレキシブルな構造と高い塩基性に起因する.相対湿度100%のプロトン伝導度はNafion117と同程度と高く,構造の異なるスルホン化ジアミンによる大きな差違はみられなかったが,低湿度でのプロトン伝導度はBAPFDS> ODADS> BAPBDS系ポリイミドの順であった.それぞれのポリイミド膜の水収着量,膜のモルホロジーが密接に関係している.NTDA-BAPBDS/TFMBz(4/1)共重合ポリイミドの収着量はIECの低下により減少し,耐水性も向上した.さらに,プロトン伝導度はNTDA-BAPBDSポリイミドと同程度であり,固体高分子型燃料電池の固体電解質膜として期待できる.

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© 2003 公益社団法人 化学工学会
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